2021/12/21

360度カメラでのVRビジネスの活用と業界別の事例やオススメの機種を紹介

実写系のVRでよく用いられる360度カメラは、カメラの周囲の上下左右360度をワンショットで撮影することができ、全天球カメラとも呼ばれます。360度カメラを使うと、VRコンテンツ用の撮影が簡易なこともあり、不動産や観光・レジャー産業、教育の分野などのビジネスシーンでも多く活用されています。

日本国内で購入可能な主な360度カメラ

これまでに多くのメーカーから360度カメラが発売されていましたが、中には販売終了(ディスコン)されてしまったものもあります。現在、日本でも発売されていて入手が容易な360度カメラは、下記の製品などが代表的です。

・Insta360シリーズ
・RICOH THETAシリーズ
・Kandaoシリーズ

日本メーカーのリコー社製のRICOH THETAシリーズは、片手で持てるスティク型の独特な形状の360度カメラです。静止画(写真)の撮影に強みを持っているなどの特徴があります。シリーズ上位機種の「RICOH THETA Z1」など、360度動画も撮影できますが、記録容量や外部ストレージに未対応などの関係から、静止画を中心に利用するユーザーに支持されています。

THETA Z ビジネス

上の画像はRICOH THETAの上位機種の「RICOH THETA Z1 51GB」。1.0型の大型イメージセンサー搭載で23MP、7K(6720×3360)の高精細・高解像度な360度静止画を撮影できます。内蔵メモリーは約51GBで、公式ストア価格は132,800円(税込)です。

Kandaoシリーズは、ハイスペックなコンシューマ機や業務向けのプロフェッショナル機の360度カメラを展開しています。ビジネス用やコンシューマ用の両方の360度カメラを販売しているのが特徴です。

kandao ビジネス

上の画像は左から「QooCam 8K」と「Obsidian Pro」。「QooCam 8K」は8Kの360度動画(30FPS)を撮影可能で、メーカーサイト価格は67,100円(税込)となっています。「Obsidian Pro」は3D12Kの360度動画を撮影可能な超ハイスペックなプロフェッショナル向けの360度カメラで、メーカーサイト価格は2,970,000円(税込)からとなっています。

Insta360シリーズもKandaoシリーズと同じく、コンシュマー機と業務向けの360度カメラを展開しています。スマホへの直挿し接続や強力な手ぶれ補正機能(「Flowstate Stabilization」)、360度動画から切り出し動画を編集する機能、自動り棒の写り込みを自動で消す(映り込み防止)機能といった、Insta360シリーズから他の360度カメラの機種に波及していった機能をいち早く取り入れるなど、新機能の搭載に特徴があります。

Insta360 ビジネス

上の画像は左から「Insta360 ONE X2」と「Insta360 Pro2」。「Insta360 ONE X2」はスタビライザーの効いた5.7Kの360度動画や高解像度(6080×3040)の静止画を撮影でき、価格は約5万円前後からとなっています。また外部メモリー(MicroSDカード、最大1TB)に対応しており、PCへの動画転送・編集などの取り回しのよさも特徴です。プロ向けの「Insta360 Pro2」は、高ビットレート(各レンズ最大120Mbps)の3D8Kの360度動画と3D12Kの360度静止画を撮影可能で、価格は約60万円前後からとなっています。

それでは、360度カメラをビジネスや仕事で活用している事例や活用方法などを紹介いたします。(※ 本記事は、ハコスコ社が国内代理店のInsta360シリーズの360度カメラの機能や利用を主にしています)

不動産、住宅、施設物件の案内などでの活用

不動産屋住宅や施設などは、間取り図や写真、または動画などで物件を紹介したり、来店される訪問者様に説明されていることが多いかと思います。こちらの情報だけでも物件や空間のイメージを把握することもできますが、多くの人はそれらに加えて、現地を実際に内見したり見学することが一般的かと思います。

360度カメラ 不動産 ホテル

通常のカメラでは撮影者の意図したカメラの構図や角度で撮影したものだけで判断しなければいけませんが、360度カメラで撮影した360度静止画、360度動画では、お客様自身が見たいポイントを自由に見ることができます。また、VRゴーグルやVRヘッドセットを使うことで空間の中に入る体験、住宅や施設などの空間の雰囲気を感じられる体験が可能です。現地に内見に行かなくても、リアルなイメージを持っていただけることが不動産分野でのVR活用の特徴です。

さらにバーチャルツアーを使えば、ホテルや空港などの大きめな施設でも全体の経路や施設案内などを直感的に伝えることができます。ホテルを例にすると、予約前のお客様がエントランスからフロント、そして各部屋までの進み方、行き方に加えて、部屋から見える景色などをバーチャルツアーで事前に体験することができます。

<関連するおすすめの事例インタビュー記事>
・オフィス移転案内をVRツアーで制作。コロナ禍で難しくなった「会って話す」を再現 ~サントリーコミュニケーションズ
https://hacosco.com/blog/suntory

観光・レジャー産業での事例

2018年に世界遺産に登録された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」をフォトグラメトリー技術などを用いて3DCG化、VR化した「長崎教会群VR」にも360度カメラ撮影が使用されています。こちらで使用された360度カメラは「Insta360 Pro」。「長崎教会群VR」は、3Dの360度静止画などを楽しめる観光VRコンテンツです。

長崎教会VR

「長崎教会群VR」は、ハコスコストアから無料で体験可能です(リンクはこちら)。国宝にも指定されている大浦天主堂や、重要文化財の出津教会堂、黒島天主堂、大野教会堂、旧五輪教会堂、頭ヶ島天主堂など多数の歴史的建造物の観光施設がデジタルアーカイブされています。

また「長崎教会群VR」は、ハコスコ社、太陽企画株式会社、NAGASAKI 3D PROJECT 出水享氏(長崎大学)、小島健一氏、@VoxelKei 氏を中心に撮影製作されました。

<関連するおすすめの事例インタビュー記事>
・「おウチでJAXA」など、「おウチで」シリーズを企画・制作している太陽企画様に聞きました!
https://hacosco.com/blog/taiyokikaku

教育、トレーニングでの事例

米国の大手小売企業で世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマートが、従業員向けのトレーニングとしてVRを導入しています。このVRトレーニングシステムは未公開の同社独自のシステムですが、公開されている動画から360度静止画、360度動画が使用されていることを確認できます。

また、ウォルマートはこのVRトレーニングシステムのために17000台の「Oculus Go」(スタンドアロン型のVRヘッドセット。2021年12月現在販売終了)を購入したと報道されています。また、システム内には多くのトレーニングプログラム、トレーニングシナリオが用意されているとのことで、その中にはブラックフライデー用のプログラムもあるとされています。

ブラックフライデーはアメリカの祝日である感謝祭の翌日の金曜日から始まる年末セールです。小売業界では一年で最大の繁忙期で大きな売上を上げるこの期間中は、買い物客が殺到し現場が大混雑することもあります。

ブラックフライデーを初めて経験する従業員でも、本番前にVRトレーニングを行うことで、事前にブラックフライデーの現場をVR体験し、現実のブラックフライデーを乗り切ることが期待できます。また、VRトレーニングの特徴として、年間に1度しかないブラックフライデーを何度でも繰り返してVR体験できるのも大きな特徴や利点です。

ウォルマート VR

ウォルマートの当時新しいシステムだった「ピックアップタワー」の使い方をVRトレーニングで行っている様子。

警察の採用活動での事例

こちらも海外の事例となりますが、ロサンゼルス市警察(LAPD)が警察官の採用活動の一環としてVRを活用しています。このVRコンテンツの360度動画の撮影に「Insta360 Pro」が使用されています。

ロサンゼルス市警察のヘリコプターのコックピットの天井などに「Insta360 Pro」が設置されています。パトロールや警察犬の訓練、特殊部隊のSWATチーム(スワットチーム)、爆発物処理の活動の様子などが360度動画で収められていて、警察の仕事について臨場感のある映像で体験学習や仕事への理解を促すものとなっています。

ビジネス分野でのVRライブ配信の事例(医療分野で活用)

東京女子医科大学の「未来型インテリジェント手術室SCOT(Smart Cyber Operation Theater)」は、手術室に設置した360度カメラによる8KVRライブ配信「デジタルツイン手術見学」を導入し、先進的な臨床現場見学を実現しています。

また、本取組はハコスコ社が協力していて、業務向けシリーズでも最上位機種で超高精細な360度カメラ「IInsta360 TITAN」と360度動画ライブ配信システム「Insta360 8K Live」が使用されています。

VRライブ 東京女子医科大

VRライブ配信を用いることで、人数制限の無い臨床現場見学の実施が可能です。また感染症リスクの低減や、術者と似た視点からの体験などをVRによって実現しているとのこと。手術室内の清潔野に近い場所に360度カメラを設置することで、臨床現場の新しいニーズの発見に繋がることも期待されています。

ハコスコのVRでの実績や事例、ご相談問い合わせはこちら

多くの種類の360度カメラがありますが、サイズや解像度の違い、立体視の有無など、ビジネス活用の目的によって適した機種や使い方などは様々です。また、ライブ配信やVR向けのマイクの使用など、360度カメラをビジネスで使用する場合の気になる点なども事前にご相談可能です。

こちらにハコスコ社の実績やインタビューなどもありますので、ぜひご参考してビジネス活用のお役立ちにしてください。

★ハコスコの利用実績

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★ハコスコの事例インタビュー記事
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