【事例インタビュー】「おウチでJAXA」など、「おウチで」シリーズを企画・制作している太陽企画様に聞きました!
太陽企画株式会社 Producer 阿久津 敏 様 / Director 大西 悟 様
テレビCMをはじめとして数多くの映像を手がける総合制作会社「太陽企画株式会社」様。今回は、同社が企画・制作をおこなった「おウチで」シリーズのProducer阿久津敏様と、制作を担当しているDirector大西悟様からお話しをお伺いしました。
ハコスコは、一見、ただの紙ゴーグルですが、大きな可能性を秘めてます!
――どのような経緯でハコスコを発売するようになったのですか?
大西:2000年代に入ってからプラネタリウム、博物館等の展示映像、『愛・地球博』のパビリオンといった大型映像に関わりまして、2006年に国立科学博物館の360度球体シアター「シアター36○」での仕事が360度映像との出会いになります。その流れで、2015年に360度映像によるバーチャルツアーの企画を国立科学博物館に提案。それから1年半ほどで実を結び、2016年秋に「おウチで科博」を発売したわけです。
――ハコスコというプラットフォームを選んだ理由は?
大西:2015年当時、「スマートフォンでバーチャルツアーが体験できるオープンなアプリはハコスコだけ」と思ったのが最大の理由です。また、ハコスコの実物を見て、パッケージやデザインなど総合的な商品として完成されているのを見て、「是非一緒に仕事をしたい!」と思ったのが決め手です。
国立科学博物館のミュージアムショップに展示販売されている「おウチで科博」
――「おウチで科博」のあと、第2弾として「おウチで国立天文台」、第3弾として「おウチでJAXA」とリピート提案できている理由は?
阿久津:国の機関なので、正面から叩いてもなかなか制作・販売にはつながりません。そのため、人を介して入り込んでいったのですが、第2段以降は「国立科学博物館がやっている」というのも大きかったと思います。「科博がやってるならウチも」と考えやすかったのではないでしょうか。
大西:あとプレゼンテーションでは「どんなラフな画像でも提案先の現場を撮影した映像をサンプルとして見せてあげるのが一番響く」というのが経験から得た知見ですね。他の施設のVRコンテンツをサンプルとして見せてもあまり響かない感じがしました。
――VR映像を制作する上でのポイントは?
大西:できるだけ撮影対象に踏み込むようにしています。せっかく360度でVR体験ができるという表現方法を使っていますので、誰でも見られる場所しか体験できないのであれば意味がありません。そこで、できるだけ「一般のお客さんが入られない柵の向こう側」や「異なる視点で見られる高い場所」など、普段の利用では見られないところでの撮影許可をお願いしています。例えば「おウチで国立天文台」の場合、ハワイのすばる望遠鏡では、見学コースでは見られないような場所も数多く撮影していますし、「おウチで科博」の場合には、ティラノサウルスの骨格標本の口の中やガラスに囲まれたたくさんの剥製たちの間から撮影しました。
Producerの阿久津敏様(右)と、Directorの大西悟様
――VRにこだわるワケは?
大西:初めてVRゴーグルで360度映像体験をする人々のリアクションを見たいからでしょうか。その“驚き”や“幸せ感”を利用者に与えたいというのは、クリエイターの気持ちとして純粋な思いです。
阿久津:夏に種子島で「おウチでJAXA」の発売前体験会を開催したのですが、子供が喜んで飛び跳ねすぎ、ハコスコからスマートフォンが飛び出してしまったこともありました(笑)。そこまで喜んでくれるのは、制作者冥利に尽きます。
――これからの取り組みを教えて下さい。
阿久津:知育シリーズとして行政関連のハコスコは今後も手がけていく予定ですが、民間企業に向けたハコスコの提案を考えています。2018年春のEXPO『コンテンツ東京』に出展したのですが、そこでは工場ツアーのVRコンテンツや、リクルート用として地方工場の模様をVRコンテンツにして見せていく、というようなお話しもでていました。
大西:ハコスコのポイントはVRゴーグルの筐体が自由にデザインできることだと思います。箱に描かれているイラストを利用して、広報用のグッズを制作して欲しいという依頼があったように、ハコスコでビジネスの幅も広げることができます。ハコスコは、一見、ただの紙のゴーグルですが、その可能性は大きなものがあるのではないでしょうか!
――ありがとうございました。